映画の感じ方は人それぞれ~『屍人荘の殺人』を例に紹介~

こんにちは!

2020年は年間800本ペースで映画を観ている高橋慶舟です。

私は司会が本業ですので芸能界に関わってはいますが、映画の専門家ではありません。

でもたくさん映画を観ていれば目が肥えるというもので、その経験を活かして前回は『おススメ映画は難しい』という話をしました。

 

今回はその続きとなり、具体的に映画作品を一つ紹介して映画の受け止め方は人それぞれという話をします。

『屍人荘の殺人』

『屍人荘の殺人(2019年 日本)』という作品があります。

この映画、興行的には大成功なのですが、レビューサイトでは低評価が多数を占めています

なぜ低評価が多いのでしょうか。

※ここからはネタバレがありますので、まだ観ていなくて楽しみにしている方は、今回のブログを読むのをおやめください。

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Yahoo!映画より引用

隠された秘密

以下ネタバレ含む


この映画はミステリーで、殺人の犯人を暴く推理物です。

原作は2017年に発行された小説で、2018年の国内ミステリーランキング4冠を達成した傑作でもあります。

 

この映画、実は推理物とは思えない秘密が隠されております。

それは何かと言うと……。

 

ゾンビが出てきます!

 

「推理物でゾンビ?」と思いますよね。

原作小説の審査員たちも度肝を抜かれ、お陰ですんなり大賞に選出されずに審議は難航したそうです*1

実際には、この作品にとってゾンビは絶対に必要な要素です。

ゾンビによってクローズドサークルが完成しますし、ゾンビによって動機(ネタバレ*2)や殺人トリックが考えられるのですから。

もちろん、ゾンビのような超常現象によって、犯行や推理が現実離れすることはありません(前提としてのゾンビを受け入れれば、ですが)。

ゾンビは必要な要素
  • クローズドサークル
  • 動機や殺人トリックの原因
  • 犯行や推理が現実離れすることはない

驚きを与えたいがため、大賞を受賞して世に出される時、ゾンビは徹底的に秘密にされたままでした。

そのため読んだ人から賛否両論はありましたが、先に挙げたミステリ4冠のように、結果として大成功を収めます。

そして映画化に至るのですが、もちろん映画も同じようにゾンビは秘密にされたまま宣伝され、公開になりました。

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低評価の理由

この映画のキャスティングですが、主演が神木隆之介くんで、重要な役どころとして中村倫也さんが出ています。

このように女性人気のある俳優が起用されたことが、この映画がレビューサイトで低評価ばかりになっている原因です。

 

元々興味が無いような作品でも、俳優目当てで映画鑑賞する人は一定数います。

映画に限ったことではなく、舞台やアニメの声優でも同じですね。

そういった人が男性よりも女性の方が多いのは、女性なら言わずもがな、男性でもSNSを観ていれば十分理解できるでしょう。

 

そんな普段ゾンビ映画を観ない層が俳優目当てで映画館に行ったところ、ゾンビが出てきて阿鼻叫喚。

一般的に女性はゾンビ映画が嫌いな人が多いので、なおさら悪印象です。

しかも先に話したように事前にゾンビの情報は一切ないので、予告を観て「俳優目当てだけどミステリーも面白そう!」となった人には、裏切られたような気までします。

しかも予告がコメディタッチだったのが、失望に余計に拍車をかけます。

 

その結果、レビューサイトには低評価の嵐。

気になった方はご覧ください。

まさしくです。

低評価の理由
  • 普段ゾンビ映画を観ない層が鑑賞した
  • 一般的に女性はゾンビ映画が嫌いな人が多い
  • ゾンビの事前情報は一切ない
  • なのに予告がコメディミステリーみたいだった

youtu.be

慣れている人には気にならない

私個人としては原作を知っていたのもありますし、三度の飯よりゾンビ映画が好きでたくさん観ているので、全く抵抗はありませんでした。

むしろ、ゾンビが嫌いな人がゾンビの登場を知らないでこの作品を観ることを、よく配慮しているのがよく分かります。

 

ゾンビを刺して殺すシーンはハッキリと映さないでレントゲン風にしていて、どこかコメディ感があります。

さらにアップで映るゾンビの顔は綺麗に表現していて、その美しさに惚れ惚れするほどです。

あの塚地さんが、一番綺麗に見えたかな。

『屍人荘の殺人』が行ったゾンビ描写への配慮
  • ゾンビを殺すシーンの直接的な描写はない
  • 綺麗な顔のゾンビ

とこのように描写には様々気を配られていて、全てのゾンビ映画の原点であるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ(1979年 アメリカ)』の方が、40年も前なのによほどグロいと感じます。

受け止め方は人それぞれ

しかしこう感じるのは、私がゾンビ映画に精通していて、かつ耐性があるからです。

普段ゾンビ映画を観ない女性たちがこの映画を鑑賞して、気持ち悪くなって怒りの低評価をするのは、仕方ないと言えるでしょう。

このように、誰かにとっては良作の映画でも、違う誰かにとっては唾棄すべき作品になることもあるのです。

 

以上、今回は『屍人荘の殺人』を例にお話ししました。

人に映画をお勧めするのは難しいですね。

次回はレビューサイトに関する話をします。

 

あ、事前にゾンビが出ることを知っているなら、『屍人荘の殺人』はゾンビが苦手な方でも楽しめる映画だと思いますよ!


(レビューサイトに関する記事はこちらです!2020/08/30追記)

www.keishu.info

*1:原作小説の巻末に審査の様子が書かれている

*2:二回殺せる